前作の主人公、円堂守率いる日本代表チーム「イナズマジャパン」がFFI（フットボール・フロンティア・インターナショナル）世界大会で優勝してから10年後の世界が描かれた作品です。日本では進学や就職の際にサッカー経験者が優遇されるほどサッカーの地位が著しく向上し、中でも「イナズマイレブン」を多数輩出した雷門中はサッカーの名門校として名を全国に馳せていました。幼い頃、豪炎寺の必殺シュート「ファイヤートルネード」によって命を救われて以来、サッカーに憧れを持つようになった少年・松風天馬は雷門中学校に入学し、サッカー部に入部しようと意気揚々でグラウンドに向かいますが・・・

雷門中サッカー専用グラウンドでは、異様な雰囲気を漂わせる一人の少年が、サッカー部員達をボロボロにしていました。彼の名は剣城京介。少年は、全国のサッカーを管理・支配する謎の組織「フィフスセクター」から全国の中学に送り込まれた監視役でした。練習試合中にフィフスセクターの決定事項に従わない、イレギュラーな動きを一部の部員が取ったため、チーム全体の連帯責任として制裁を加えていたとのことでした。

シード（精鋭選手）と呼ばれた彼らは、「フィフスセクター」によって予め決定された、試合の勝敗や試合中に上げる得点の数をチームに伝える「メッセンジャー」としての役割を持っていました。そして、フィフスセクターの決定に異を唱える反抗的な中学を監視し、内情を報告するスパイのような役目も負っていました。

現実に直面した松風天馬は、絶望するよりも激しく憤り、強く思いました。「こんなの、サッカーじゃない！！」全てを管理されてしまったサッカー界。サッカーの勝敗が全国のサッカーチームに均等に振り分けられ、部員たちが進学や就職に不利にならないように特別に図られた、功利的で無力感に包まれた世界。天馬は血湧き、肉躍った「イナズマイレブン」の時代のサッカーを取り戻すことを決意し、部員たちに働きかけました。しかし、イナズマジャパン時代に監督を務め、その後雷門中の監督となった久遠は、試合の責任を取らされる形で雷門中を去り、精神的支柱を失った雷門中サッカー部は部員が次々に去りました。最盛期には3軍まであった雷門中サッカー部は、部の存続ギリギリの人員しか残りませんでしたが、天馬は新監督に就任した円堂と共に、新たな雷門のイレブンたちと共にフィフスセクターの打倒を目指して立ち上がったのです。

化身はオーラの一種です。「ゴッドハンド」など、前作の必殺技がパワーアップし、サッカープレイヤーの気力が高まることで具現化する力の権化です。大概は人型を成しています。円堂の「マジン・ザ・ハンド」の「マジン」も、化身の一つだと言えないこともありません。化身の発現には体力をかなり消耗しますが、人工的な訓練を受けたフィフスセクターのシード以外に、自然に化身が出せるプレイヤーは少数ながらも一般にもいて、彼らは「化身使い」と呼ばれています。化身が飛び交う舞台は「フットボールフロンティア」にあたる10年後の少年サッカーの全国大会「ホーリーロード」です。大会では「フィフスセクター」の統治者である「聖帝」を決める選挙も行われていましたが、フィフスセクターの不正を突き止めた円堂や鬼道、吹雪やヒロトらイナズマイレブンのメンバーたちによって悪事が白日の下に晒され、組織の影響力は衰退に向かうのでした。

サッカーのあるべき姿を取り戻すため、フィフスセクターの聖帝という権力の座から天馬たちをバックアップした豪炎寺は、この事件の後、サッカーの自由化のために全国を渡り歩く事になりました。その日、サッカー棟へ向かった天馬は、部室に人が全く見あたらない事を不審に思い、廊下で会った神童に話を聞いてみました。すると、信じられない答えが返ってきました。「サッカー部なんて元々この学校にはない」他の部員達も同じことを口々にしました。全員サッカーのことも、天馬に関する記憶も全て失っていたのです。混乱する天馬の前に一人の不思議な髪型の少年が現れ、「お前からサッカーを消去する」と告げた時、サッカーを無きものにする、新たな敵の出現を天馬は感じ取りました。歴史が改変され、サッカーそのものが誕生しなかった世界。タイムマシン「イナズマTMキャラバン」に乗り、各時代の歴史上の人物の魂をクロノ・ストーンに集め、未来からの侵略者からサッカーを守る新たな旅に天馬たちは出発したのです。

「化身アームド」は化身の別形態で、『クロノストーン』編での主要形態でもあります。化身を発現させた人物が「アームド!」の掛け声で化身を鎧のように変化させ、自身の体に装着させる応用技です。

ギャラクシー編は「世界大会編」と「宇宙大会編」の二部構成になりました。

10年後の天馬の世界でも、「フットボールフロンティア・インターナショナル ビジョン2」と銘打った、少年サッカーの世界大会が開催されました。

天馬たちは「新生イナズマジャパン」として世界へ羽ばたく・・・かと思われましたが、ここでサプライズが起きました。イナズマジャパンに選出された選手は、雷門中でサッカー経験のある松風天馬、剣城京介、神童拓人を除き、多くの選手がサッカー未経験者だったのです。

史上最悪と評された新生イナズマジャパンの選考基準が明かされないまま、世界大会の幕は切って落とされました。

アジア地区予選で、ど素人が中心の「即席イナズマジャパン」は当初、技術的に未熟なだけでなく互いに軋轢を引き起こし、チームがまとまらない形で苦戦を強いられていました。しかし、試合を重ねるうちにそれぞれのメンバーのわだかまりが解けていくと、自然に彼らはサッカーの素晴らしさに目覚めていきました。

激戦の末、イナズマジャパンはアジア地区予選決勝戦で優勝を勝ち取ったのです。

この大会には、ある衝撃的な事実が隠されていました。
試合終了直後に忽然と消える、敗北した相手チーム。
そして、スタジアム上空に謎の宇宙船が現れました。

自ら異星人と名乗ったビットウェイ・オズロックは銀河連邦評議会から派遣され、地球から18万8000光年先の銀河で行われる惑星間サッカー大会「グランドセレスタ・ギャラクシー」の本戦に、地球代表が駒を進めたと告げました。

実はこの世界大会は、「グランドセレスタ・ギャラクシー」の銀河系辺境エリアでの予選であり、負けたチームの惑星は消滅することになっていました。人間の姿にカモフラージュした異星人たちとのサッカーの試合・・・サプライズに次ぐサプライズ、意表を突いた奇抜なストーリー展開に、制作サイドのレベルファイブの本気が見え隠れしていました。

「グランドセレスタ・ギャラクシー」で優勝し、地球を護る。

辺境エリアチャンピオンのイナズマジャパンは、18万8000光年先の宇宙へ旅立つことを決意しました。

試合のために惑星から惑星へと旅する天馬は、移動の途中で自身にしか感じ取れない、まるで頭の中で話しかけてくるかのような王女の存在を目に止めました。
滅亡した惑星の王女だと名乗る彼女は、ブラックホールの増殖を止め、銀河を救う方法を天馬に告げました。

地球代表「アースイレブン」の、天馬たちの謎に包まれた最後の戦いが始まろうかとする時、ある理由で敵チームに寝返ったアースイレブン監督の影山がチームに襲いかかりました。

果たして、ブラックホールは消滅させられるのか？宇宙は平和を取り戻せるのか？全宇宙が固唾を飲んで勝負の行方を見守ったのです。