[動く!?イベントレポート]アニメーション作家旅 in インドネシア

[動く!?イベントレポート]アニメーション作家旅 in インドネシア

日本とASEAN諸国を中心としたアジア各国のインディペンデント・アニメーション作家たちの交流プログラム「ANIME-ASEAN」。その一貫として、インドネシアを訪れた!

現地の学生たちに向けた、日本のインディペンデントの最新動向を共有するレクチャーやワークショップ。その模様を通して感じたインドネシアカルチャーをレポートする。

ANIME-ASEANとは?

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ANIME-ASEANとは

ANIME-ASEANは、日本とASEAN諸国を中心としたアジア各国のインディペンデント・アニメーション作家たちの交流プログラム。 アジアの作家たちを日本へと招聘することで、あまり知られていないASEAN諸国のアニメーションの歴史と現状を紹介、 また、日本作家をアジアへと派遣することで日本のインディペンデントの最新動向を国際的に共有することを通じ、現地のインディペンデント・シーンの活性化を図る。
http://newdeer.net/anime-asean/

インドネシア・ジャカルタへ

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出発前

今回の旅の仲間は、

●土居伸彰
ANIME-ASEANのプロデューサー。
インディペンデント作家の研究を行う傍ら、海外映画祭での審査員やキュレーターとして世界のアニメーション作品を広く紹介する活動をしている。新千歳空港国際アニメーション映画祭のフェスティバルディレクターでもある。http://newdeer.net/

●平岡政展
CMやMVや商業アニメーションのEDなど広告映像を中心に幅広く活動しているアニメーション作家。
主な仕事にRed Hot Chili Peppersのツアー映像などがあり、第20回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など、受賞多数。https://twitter.com/budou_mochi

●大野謙介
GIFMAGAZINE代表取締役。
GIF制作の記事執筆やワークショップに加え、さまざまな企業のGIFプロ モーションを実施。GIFMAGAZINE公式クリエイターと共にGIFの制作・ディレクションを担当。著書に『Webデザイン基礎トレー ニング 現場で使うテクニックをひとつずつ、 しっかり。』(共著、エムディエヌコーポレーション)。https://gifmagazine.net/

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六厘舎にて

出発前に食らうことを楽しみにしていた土居さん。
この旅とは全く関係ないが、美味しそうに食べている。

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東京-ジャカルタ

土居さんのお腹も満たされたところで、いざインドネシアへ。フライト時間は約8時間

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出発!インドネシアのジャカルタへ

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到着!合流!

今回この交流プログラムに参加するもう一人のメンバー幸洋子さんは、地中海のマルタ島からインドネシアに到着。

●幸洋子
東京藝術大学大学院アニメーション専攻修了後、様々な素材を用いて、アニメーションやイラストレーション、実写映像の制作、展示、上映のほか、音楽イベントでのVJや、アニメーションのワークショップを開催するなど、活動の幅を広げている。 修了制作のアニメーション「ズドラーストヴィチェ!」が新千歳空国国際アニメーション映画祭2015日本グランプリ、17th Digicon6 Japan Gold、文化庁メディア芸術祭に選出されるなど、国内外の映画祭にて受賞多数。https://twitter.com/yukiyoko_0

アニメーション作家の紹介

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EZ3kiel - L'Œil du Cyclone [Official Video]

平岡政展さんが手がけたフランスのバンドのミュージックビデオ。
平岡さんは、ある画から別の画に徐々に変形させるメタモルフォーゼという手法を得意とするアニメーション作家。

もっと観るには平岡政展さんのvimeoをチェック!
https://vimeo.com/user6065152

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GIF created by 平岡政展

平岡政展さんはtwitterでアニメーションtestとしてGIFを投稿し、今やりたい表現を発信しつつアイデアを溜めていくそうだ。

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黄色い気球とばんの先生

幸洋子さんは、様々な素材を用いて作るアニメーションが特徴。とても不思議な感覚になる映像!

もっと観たい人はコチラ!
https://vimeo.com/yokoyuki

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GIF created by 幸洋子

幸洋子さんは、日々の出来事を写真や動画で記録し、その時感じたことを忘れないようにイラストやアニメーションを制作するらしい。

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GIFMAGAZINE

ついでにGIFMAGAZINEもご紹介!

大野謙介が2013年にGIF動画の共有サイトとしてオープンしたGIFMAGAZINE。
スマホの普及に伴って再度注目を集めるGIF動画は、クリエイターの手によって新たな表現が生まれ続けている。今回のレクチャーでは、GIFアニメの可能性と日本で起こるGIF広告ブームを紹介する。

最初のワークショップ会場へ

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バジャイで移動

東南アジアでよく見る気がする乗り物(インドネシアではバジャイというらしい)に乗って移動。一つ目のワークショップへ。

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バジャイの車窓から

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土居伸彰とトロピカルジュース

ワークショップ前に一息。
すごい勢いで吸い付く土居さん。

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ワークショップ@Kemang Kres

Kemang Kresというこの場所は、アートやクリエイティブに関わりたい人々のために2018年7月にオープン。アニメーションを含め、アートの道に進みたいがどうしたら良いか分からない若者への支援や情報提供などを行っているコミュニティだ。
http://kemangkres.id/

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GIFの作り方レクチャー

大野謙介(GIFMAGAZINE)がGIFの作り方を参加者に紹介。数枚のイラストを描きアニメーションを作る、基本的な方法をレクチャーしました。

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凄く真面目に聞いてる参加者

参加者の多くは10代。随時メモをとりながら真剣に聞いてくれていた。

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GIF作りワークショップ

みんなでパソコンをシェアしながらワークショップ。

インドネシアでは、平均月収が3万円と言われています。パソコンの購入も壮絶な決意が必要となる…。

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GIFの作り方を伝授

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こんなのが出来上がっていた

次の会場へ

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ジャカルタから車で1時間ほどのブカシという街へ

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ブカシ

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グナダルマ大学(Gunadarma University)

次の会場はココ。

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インドネシアの大学生

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大きな会場で…

参加者は200人ほど。

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学生もワクワク

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平岡政展さんレクチャー中

インディペンデントアニメーション作家としての考え方や作品作りのことなど、簡単なアニメーションを描いたりしながら説明中。

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幸洋子さんレクチャー中

幸さんは日記を書く感覚で、感じたことを忘れないようにするためにアニメーションを作るそう。

自分の感覚に自由に作ることで、お仕事も楽しんでやれることが学生にも伝わったようだ。

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大野謙介(GIFMAGAZINE)もレクチャー中

GIFの文化やお仕事のお話。

GIFMAGAZINEでは、公式GIFerとともに企業の広告を制作している。観て楽しい広告を作る。そんなことを求められている今、GIF広告の世界では作家の色を出しながらお仕事をすることができるという。

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レクチャー終わりは人気ものになった気分

3時間ほどのレクチャーが終了。
生徒たちが写真を一緒に撮って欲しいと集まってきた!

インドネシアの人は、本当に写真が大好き。

ジャカルタからジョグジャカルタへ

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ジャカルタからジョグジャカルタに移動

ジョグジャカルタは、ジャワ島中部にある古都。
伝統アートを支える重要な都市で、世界遺産のボロブドゥール遺跡やプランバナン寺院があることで有名。

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ジョグジャカルタ

アートがいたるところに描かれている。

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ジョグジャカルタの風景

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ジョグジャカルタの風景

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ジョグジャカルタは海の近く

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綺麗な夕日がみれる

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海には馬がいた

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浜辺での子供達の遊び

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土居伸彰 by 幸洋子

この時お腹を壊して大事をとって宿泊先でおやすみしていた土居さん。ジョグジャカルタの海岸に作っておいた。

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入水する幸さん

残りのワークショップの成功を祈って入水

ジョグジャカルタ1発目のレクチャーへ…

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ジョグジャカルタ芸術学院

ジョグジャカルタ芸術学院(Indonesian Institute of the Arts Yogyakarta)は、インドネシアのジョグジャカルタにある国立大学。 伝統的なインドネシアとモダンな国際スタイルのビジュアル、パフォーマンス、メディア芸術を教えている。インドネシアの中でも1位2位を争う名門校なんだそう。

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レベルの高い学生作品

学生作品の展示スペースには、レベルの高い作品が…。

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垂れ幕に迎えられ

この日のために、垂れ幕まで作ってくれてお出迎え。

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レクチャー中の風景

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ワークショップにて

平岡さんが数分で描いたメアモルフォーゼ。モノをずっと見ていると、それ特有の進むべき方向が見つかるらしく、大事なのは物をよく観察すること。この時の鉛筆は尖った方に進みました。

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生徒の皆さんのリアクション

作品や手順を見せるたびに会場がざわめきが起こる。
とても良いリアクションだった

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レクチャー終わりに記念GIF撮影

ジョグジャカルタ芸術学院の皆さんと。

ちょっと一息、ジョグジャカルタの散策

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プラウィロタマン市場の風景

伝統的な市場もある

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魚屋さん

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パイナップル屋さん

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ココナッツ屋さん

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ココナッツ粉末の袋詰

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スパイス屋さん

最後のワークショップへ…

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最後のワークショップ会場へ

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この日の会場

会場はTシャツのデザイン会社が運用する場所の一角

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中庭にあるイベントスペースでワークショップ

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平岡さんレクチャー中

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平岡さんのワークショップは…

秘伝のメタモルフォーゼを伝授中

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GIFの作り方もレクチャー

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真剣に聞いてくれてる

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パソコンをシェアして作業中

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幸さんのワークショップは…

色々な素材で作ったキャラクターでストップモーションを作るワークショップ。

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オリジナルキャラクター作成中

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自作のキャラでストップモーションを撮影

目玉焼きをモチーフにしたキャラクター

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完成したストップモーション作品

どのキャラも凄く独創的

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完成したストップモーション作品

どのキャラも独創的

完成したメタモルフォーゼ作品

ANIMASI CLUB

Nindahe_metamorfosis Enok

ANIMASI CLUB

kirby_byLida

ANIMASI CLUB

Hammer by Ilham Surya Pribadi

transformation between some kind of things into a liquid



この時の皆さんの作品はコチラで見れる!!
https://gifmagazine.net/users/72123/profile

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最後に記念GIF撮影

インドネシアのアニメーションについて

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今回の旅のコーディネートをしてくれた人物

今回のレクチャー・ワークショップ会場全てをコーディネートしてくれたインドネシアのアニメーション作家、ヒスキア。インドネシアのインディペンデント・アニメーションシーンを創るために尽力している唯一無二の人物である。

彼はANIMASI CLUBというコミュニティを作り、若者たちにアニメーションや作家としての生き方を教えている。

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アニメーションを伝えるために

若者にアニメーションを伝えるために、ヒスキアが日本で買ってきた資料。たくさん置かれていた。

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パソコンは高価なものなので…

平均月収が3万円とされるインドネシアでは、パソコンは非常に高価なもの。
アニメーションは、紙に一枚一枚描いて作っている。

夢を追いかける術を知らない才能あるアニメーション作家の卵、そしてそれを支援する人がいる。インドネシアのアニメーションは、さらなる進化を遂げる日が近いことを感じざるを得ない。

おしまい

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東南アジア最大級のヒンドゥー遺跡、プランバナン寺院にて

約1週間ほどの滞在。インドネシアでアニメーションでお仕事しようとすると商業アニメのプロダクションに入る、という選択肢しか今までなかったそうだが、今回の旅で少しだけ、インドネシアの地にインディペンデント・アニメーションの近況と魅力を伝えることができた。

アジア各国を中心に面白いアニメーションが生まれる可能性を大いに感じるインドネシア滞在となった。

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◆感想◆

ヒスキアとANIMASI CLUBを中心として、まさにこれから本格的に生まれつつあるインドネシアのインディペンデント・シーンは最高にエキサイティングで、未来を想像するとワクワクしっぱなしの旅でした! 次はお腹を壊すことなく町並みや海外も堪能したいです

土居伸彰@NddN
https://twitter.com/nddn


インドネシアは人のテンションも、街の雰囲気も、緑の濃さも、気温もあつく、生命力に溢れて、毎日刺激的な日々の連続でした。ワークショップや講演で出会った現地の学生の熱量がすごく、また絵を描くことの楽しみや物を作る喜びを、みんなと共有でき、
とても楽しかったです!ヒスキアの語る未来は、ポジティブで、とても力強く、彼や彼らの仲間達がつくりだす作品やこの旅で出会うことのできた人達たちが作り出すそれぞれのアニメーションが、そのような未来をつくっていくのか、とても楽しみに思いました。
流れている時間がとても独特で、心地よかったので、次はのんびり遊びに行きたいです!

平岡政展@budou_mochi
https://twitter.com/budou_mochi


現地の作家と交流して、素直に絵を描いたり、気軽に発表したりしているのがとても素敵だと思いました。ヒスキアのスタジオは、アットホームな雰囲気でとても居心地が良かった。四季のある国と常夏の国では時間の区切り方や1日のテンション自体も変わってきそうだし、その感覚の違いが作品にも自然と滲み出てくるんだろうな〜と思います。この土地でどういう作品が生まれてくるのか…今後がとっても楽しみ!お餅やお芋が美味しすぎた!!

幸洋子@yukiyoko_0
https://twitter.com/yukiyoko_0


今回のワークショップを通じて、GIFやアニメーションの楽しさを再認識しました。当たり前なことかもしれませんが、同じ言語を話せなかったとしても、動きの楽しさや、感じる気持ちよさは一緒で、非言語コンテンツの重要さを改めて感じれる9日間でした。これから先もインドネシアだけでなく、様々な国の方と一緒にGIFやアニメーションが作れたら嬉しいですね。

大野謙介@sekai_seifuku
https://twitter.com/sekai_seifuku

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ANIME-ASEAN の次の活動は、新千歳空港国際アニメーション映画祭にて。3年間の成果を発表する。
http://airport-anifes.jp/programs/anime-asean/

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