瀬川三十七 〜動く浮世絵を浮世絵彫師に見せてみた〜

瀬川三十七 〜動く浮世絵を浮世絵彫師に見せてみた〜

瀬川三十七 
現代の浮世絵師、PCを駆使した動く浮世絵を制作しているアニメーション作家。
1988年富山県生まれ。 東京大学文学部卒業。JAPAN MENSA会員。様々な大手企業とコラボレーションした映像を制作している。
STARWARS(ディズニー) / 東宝 / 三井住友カード / 川崎フロンターレ / 楽天 / ISETAN / NEC / 江崎グリコ(ポッキー)

瀬川三十七 / SEGAWA Thirty-Seven

【動く浮世絵】世界四十六景 01:マリーナベイサンズ

世界各地を仮想旅行しながら、旅先の風景を「動く浮世絵」にしていくプロジェクト、「世界四十六景」を制作中。現在、マリーナベイサンズ、アンコールワット、香港の3作を発表。

瀬川三十七 / SEGAWA Thirty-Seven

【動く浮世絵】大道芸

Vivienne Westwood 青山旗艦店の15周年記念用に制作。

瀬川三十七 / SEGAWA Thirty-Seven

【動く浮世絵】競技百選 かるた

三井住友カードの50周年記念キャンペーンに合わせて制作。

そんな瀬川三十七さんが、鉄棒ぬらぬら(葛飾北斎の春画を描く時の別名)による「蛸と海女」を動く浮世絵として制作し、企画展へ出品!

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nuranura展2018

9/8(土)から開催されている、葛飾北斎「春画」木版画復刻プロジェクトnuranura展 2018に出品している。
(18歳未満は入場禁止となります。)

http://www.nura2.com/

会期:2018年9月8日(土)〜9月23日(日)
時間:open12:00〜closed20:00
場所:「The 1/3rd Gallery」東京都千代田区外神田4-9-2 千住ビル5 –2階


春画は江戸時代に性風俗を表現した、現代で言うところの「エロ本」。しかし、「春画を持っておくと幸せな家庭が築ける」と言われていたり「嫁入り前の予習」「お笑いとしてみていた」との説もあるほど奥深いものだ。

多くの春画に見られる陰毛の表現は版画表現でもっとも難しいと言われ、その技術を伝承する目的としたプロジェクトが“葛飾北斎「春画」木版画復刻プロジェクトnuranura”である。

同展では、15名の現代芸術家が春画をテーマに制作した作品とともに、江戸木版画 伝統工芸士 彫師 渡辺 和夫氏が、技術伝承のために作成する浮世絵 春画「蛸と海女」が展示されている。

名だたる浮世絵師が「春画」作品を残し、海外の画家に多大なる影響を与えた日本の芸術に改めて目を向けてみよう。

今回、浮世絵彫師である渡辺さんの御厚意で「蛸と海女」の作業風景を特別に見学できることになった!

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関東鉄道常総線石下駅到着

自分の作品を忍ばせた瀬川三十七、つくばエキスプレス、関東鉄道常総線を乗り継ぎ、茨城県常総市へ。

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線路の向こうに「城」発見!!

史跡に詳しい瀬川だが、常総市の街中に城址があることに驚きを隠せない。
「天守閣に登り殿様気分を味わいたい」とのことで。帰りに寄ってみることに。

浮世絵 版画摺と彫刻処「渡辺木版」に到着

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汗が滴る音も聞こえてくる静けさの中、彫師と摺師が作業をしている。

基本的には窓からの自然光で作業し、乾燥を防ぐため空調なしの環境で黙々と作業をする。この日の最高気温36℃。「とんとんとん」木を削る音、「さっさっ」紙の摩擦音、息遣いだけが工房内で聞こえている。

江戸木版 伝統工芸士 彫師 渡辺和夫

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賞状の数々

国を代表する匠の工房にいる。と実感。

彫り師・渡辺 和夫(経済産業省認定 江戸木版画 伝統工芸士)

1960年 江戸木版彫師・大倉半兵衛に師事。6年間の修行の後、江戸木版彫師として現在に至る。

1991-1992年 フランス・エソンヌ県で開催されたJAPAN WEEKで木版の実演を行うほか、両陛下の行幸啓に際し、天覧の品として木版画を出品。

2010年 江戸木版画伝統工芸士に認定され、現在は浮世絵版画に限らず現代絵画作品の木版画化など活動の幅を広げている。

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気迫せまる作業が続く

浮世絵手摺木版画・・・
本来肉筆1点物だった浮世絵。絵を売る対象が貴族から一般庶民に移り、沢山の枚数が必要になったため、制作媒体が版画になった。

1つの作品を完成させるためには、毎日彫り続けても1ヶ月以上かかる。

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渡辺さんのオーラ

作業中の背中からは、ひと彫りごとに気迫が感じられ、この距離から近づけない空気が張り詰めている。

作業の手を休めて、版画の説明をしてくれることに。

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毛髪の処理が難しい

下絵を見せてもらいながら、毛髪部分の制作作業について丁寧に教えてくれる。
細い線を表現するために、版(毛だけの木版)を2枚作る。

デジタルでリメイクした"蛸と海女"GIFを渡辺さんに見せてみた!

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蛸と海女

葛飾北斎「春画」木版画復刻プロジェクトnuranuraの一環として、鉄棒ぬらぬら(葛飾北斎)による春画を瀬川三十七がリメイクした作品。

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スマホ画面を拡大して細かい線をチェックする渡辺氏

瀬川が自分の「蛸と海女」を、恐縮しながら見てもらうが、その緊張と裏腹に「面白いね」という感想を頂いた。瀬川が書き足した「線」に対するアドバイスが続いた後、沈黙。
しばらく、スマホを凝視したかと思うと、
「さらに良い作品にするために、
声優を使って"セリフ"を入れたら?」という提案が飛び出した。
「蛸に吸われていい気持ちだわぁ。アンアンとかさ。細かくは、俺はわからないけど。」
意外な新しい感覚に取材チームは思わず笑ってしまった。

【動く浮世絵】世界四十六景 を観てもらうことに。

瀬川三十七 / SEGAWA Thirty-Seven

【動く浮世絵】世界四十六景 03:香港

渡辺氏「看板が動いたりして、ガチャガチャしてるから、この道路を走る横線、無いほうが良いんじゃない?」「このスマホの中の作品をどうやって売って、メシ食ってくの?」などなど、浮世絵をデジタルで表現している瀬川に対して質問が飛ぶ。

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光の線

この後も、伝統を受け継いでいる彫師と、新しいアプローチで浮世絵に向き合うクリエイターの交流が続いた。

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工房を出ると天気雨

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茨城県常総市にある城

天守閣から関東平野が眺望できるかと雨の中歩き、ようやく到着したものの、ちょうど閉館時間で中に入れず。殿様気分になるには、まだまだ先ということか。

元々あった復元城ということではなく、常総市の地域交流センター(公民館)でした。

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