【動く!?イベントレポート】世界4大アニメーション映画祭 "アヌシー"
世界4大アニメーション映画祭の一つアヌシー国際アニメーション映画祭に、
GIFMAGAZINE公式GIFerの山田遼志がノミネートされた!
いつもお世話になっている山田監督に、フランスで寂しい思いをさせるわけにはいかないとGIFMAGAZINEスタッフが映画祭に同行!
山田監督とともに行動することで目にした世界のアニメーション、映画祭の魅力を本記事を通してお伝えする。
アヌシー国際アニメーション映画祭とは…
カンヌ映画祭からアニメ部門が独立する形で1960年に設立されたアヌシー国際アニメーション映画祭。世界最大にして、ザグレブ、オタワ、広島と並ぶ世界四大アニメーション映画祭の一つ。年々発展するアニメ技術と、影絵やクレイアニメ、3Dまでを含むアニメーションを網羅している。
[元動画]https://www.youtube.com/user/annecyfestival
毎年11万人以上の観客と約230本の映画が集まる、街全体をあげての一大アニメーションイベント。今年のエントリーは全世界93ヵ国3050作品にも及んだ。
[元動画]https://www.youtube.com/watch?v=AiC2SNaHwu4
日本からの正式出品作品は…
スペシャルスクリーニング:
<全三部作>アニメーション映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』。昨年のアヌシー国際アニメーション映画祭では、静野孔文、瀬下寛之両監督が、完成前の第1章「GODZILLA 怪獣惑星」から、制作途中の成果物やプロモ―ション映像を現地で披露したが、今回は晴れて完成した作品を上映することに。
映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』GIFMAGAZINE公式チャンネルhttps://gifmagazine.net/users/61864/profile
卒業制作部門にノミネートされた、谷耀介監督の作品「怪獣神話」13分あまりの作品は、2DタッチのCGで、ある怪獣の戦いを描く。http://yochuke.com/[元動画]https://www.youtube.com/watch?v=KRV8K8EcKhs
短編部門にノミネートされた山田遼志のオリジナル作品『Hunter』。
短編部門では、日本人で唯一ノミネートされた。
山田遼志 GIFMAGAZINEアカウントhttps://gifmagazine.net/users/54296/profile
他にも日本の魅力的な作品がたくさん上映された
Feature Films in Competition
『未来のミライ』|細田守監督
『若おかみは小学生!』|高坂希太郎監督
TV Films in Competition
『B: The Beginning "Episode 1"』|中澤一登監督
『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』|エリック・オー監督 (アメリカ・日本)などなど!
アヌシーってこんなとこ!
山田遼志監督もアヌシーへ出発
左:山田遼志 / 右:阿部舜
山田監督クルーは渡航費節約のため、ドバイ経由でスイス・ジュネーブに到着。そこからアヌシーへ向かう!飛行機で日本-ドバイ間は約15時間。エミレーツ航空の機内食は、実に美味である。
アニメーション作家、冠木佐和子監督と出会う。
自撮り棒を巧みに操っています。
冠木監督は、同映画祭2017年学生部門で最高賞を獲得しているスゴイ人。
冠木佐和子 GIFMAGAZINEアカウントhttps://gifmagazine.net/users/57360/profile
[元動画]は冠木監督が撮影した素材です。冠木監督のアヌシーレポートは彼女のYOUTUBEチャンネルでいつの日かアップ予定!https://www.youtube.com/user/soramimicake100/featured
アヌシー国際アニメーション映画祭2018
今年のエントリーは全世界93ヵ国3050作品
[元動画]https://www.youtube.com/watch?v=AiC2SNaHwu4
高揚した観客が紙飛行機を多数飛ばす、アヌシー映画祭の名物
[元動画]https://www.youtube.com/watch?v=y8jhhJ4Ugtc
世界最大規模のアニメーション見本市MIFA(Marché international du film dʻanimation)もアヌシー国際アニメーション映画祭に併催され、ビジネスの場を提供している
「文化庁メディア芸術祭」海外展ブースや東京都の支援するTOKYO ANIMEのブースなど日本のアニメーションはココでも頑張ってた
[元動画]https://www.youtube.com/watch?v=y8jhhJ4Ugtc
GIFMAGAZINEでも応援しているアラーニェの虫籠ブース。同作はカナダ・モントリオールで開催される国際映画祭「ファンタジア国際映画祭2018」にもノミネートされた。すごい!
恐怖と戦慄の連鎖を夢幻的映像美で描くホラー!!
<超絶絵師>とも呼ばれる坂本サクが、監督をはじめ、原作・脚本・アニメーション・音楽を全て一人でこなす劇場用ハイクオリティ・アニメーション。
「アラーニェの虫籠」GIFMAGAZINE公式チャンネルhttps://gifmagazine.net/users/55048/profile
昨年学生部門で審査員賞を受賞した冠木佐和子監督が日仏共同企画『I‘m LATE』で、新作短編ピッチに選出。
『I‘m LATE』には、日本でのアニメーション文化を牽引する会社ニューディアーが参加している。チェックチェック。
NEW DEERhttp://newdeer.net/
これから公開される作品の制作過程を紹介する「WORK IN PROGRESS」には、劇場アニメ『ペンギン・ハイウェイ』が登場!絶対観るべき作品!!
ペンギン・ハイウェイGIFMAGAZINE公式チャンネルhttps://gifmagazine.net/users/65219/profile
水江未来監督の「DREAMLAND」がクロージングセレモニーで特別上映された!
水江未来監督は、GIFMAGAZINEが主催するGIFコンテスト「theGIFs」第一回目の審査員を引き受けてくれた神である。
そんな世界から注目を集めている水江監督が、東京で7年ぶりの個展を開催。要チェック!
【DREAMLAND-水江未来のアニメーションのミライ-】
art space kimura ASK?2018年7月2日〜14日(日曜休廊)11:30〜19:00http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/ask/
同映画祭では毎年1か国にスポットを当てた特集を組んでおり、今年のブラジルに続いて、来年は日本がゲスト国(Country of honors)となることが発表された!つまり来年は激アツ!日本のアニメーション、来年は注目を浴びそう。GIFerの皆様もアヌシー国際アニメーション映画祭に作品をエントリーしてみてはいかがでしょう。
主な賞の結果は以下の通り
【短編コンペティション部門】
●クリスタル賞
ニンケ・ドゥーツ監督『ブルーイストラート11(原題) / Bloeistraat 11』(ベルギー、オランダ)
【長編コンペティション部門】
●クリスタル賞
デニス・ドゥ監督『フナン(原題) / FUNAN』(ベルギー、カンボジア、フランス、ルクセンブルグ)
【TVフィルム・コンペティション部門】
●クリスタル賞
エリック・オー監督「ピッグ - 丘の上のダム・キーパー」より「きいろいはな」「はじめまして」(日本・アメリカ)
●審査員賞(TVスペシャルに対して)
トム・シェパード監督『ザ・ロボット・チキン・ウォーキング・デッド・スペシャル:ルック・フーズ・ウォーキング(原題) / The Robot Chicken Walking Dead Special: Look Who's Walking』(アメリカ)
●審査員賞(TVシリーズに対して)
ダニエル・チョン監督『ウィ・ベア・ベアーズ“パンダズ・アート”(原題) / We Bare Bears "Panda's Art"』(アメリカ)
SPECIAL THANKS
アヌシー国際アニメーション映画祭を通して、日本のアニメーション作品や作家の皆様が世界で評価されている姿を目の当たりにした。
フランスを始めヨーロッパ諸国は芸術に対しての意識が高いのか、アニメーションに対する認識が少し日本と違う。ような気がした。
でも単純に、アニメーション作品を観て感想を言い合って過ごす時間を与えてくれる映画祭。素敵。
■山田遼志
多摩美術大学大学院アニメーション専攻の出身、在学中よりアニメーション制作をし、国内外の映画祭で上映され受賞を重ねてきた。2014年には学生部門でも、アヌシーのコンペティション部門に選ばれている。
■阿部舜
2014年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報デザインコース卒業。2016年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。ASK?映像祭2015コンペティション部門久里洋二賞、第21回学生CGコンテスト水江未来賞受賞。
■冠木佐和子
1990年東京都生まれ。 多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。アダルトビデオ会社に就職。退職。2014年、卒業制作『肛門的重苦 Ketsujiru Juke』がザグレブ国際アニメーションフェスティバル学生部門グランプリ受賞、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭優秀芸術賞受賞などを果たした。アヌシー国際アニメーション映画祭2017(フランス)学生部門グランプリ。
■水江未来
多摩美術大学大学院グラフィックデザイン学科でアニメーションを学ぶ。「細胞」や「幾何学図形」をモチーフにした抽象アニメーション作品を多数制作し、主に国際映画祭を舞台に活動をしている。世界4大アニメーション映画祭(アヌシー・オタワ・広島・ザグレブ)すべてにノミネート経験があり、アニマドリード2009(スペイン)では、『DEVOUR DINNER』が準グランプリを受賞。また、第68回ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門(2011)に『MODERN No.2』がノミネートされ、アヌシー国際アニメーション映画祭2012では、SACEM賞(最優秀音楽作品賞)を受賞。
■土居伸彰
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。新千歳空港国際アニメーション映画祭フェスティバル・ディレクター。ロシアの作家ユーリー・ノルシュテインを中心とした非商業・インディペンデント作家の研究を各大学の非常勤講師や助手を通じて行うかたわら、Animations Creators and CriticsやCALFといったグループの一員として、上映イベントの企画や執筆等を通じて、世界のアニメーション作品を広く紹介する活動にも精力的に関わってきた。海外映画祭での審査員やキュレーターとしての活動経験も多い。2015年、株式会社ニューディアーを設立。世界のアニメーションの才能をつながるべき場所へとつなげる活動を積極的にスタートさせる。
■野村辰寿
多摩美グラフィックデザイン学科研究室 教授。CMディレクターとして活動後、『ストレイシープ』、『ジャム・ザ・ハウスネイル』、『ネコのさくせん』、『ななみちゃん』、『Moon Boon三日月島のモーとブー』などさまざまな手法のアニメーション作品を制作。オリジナルアニメーション作品の他、CM、テレビ番組、展示映像、Web、絵本、イラストレーションなど幅広く活動中。
■谷耀介
東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の第九期生。『怪獣神話』は、その修了制作である。13分あまりの作品は、2DタッチのCGである怪獣の戦いを描く。